CEEDと赤神さんと

CEEDアドベントカレンダー2023(https://adventar.org/calendars/8813)ですね。21日目の記事です。最近は、CEEDのイベントに全然参加していないなという気分でいるのですが、今年も一回発表しているんですよね。その時は、Legendre関数についてお話ししました。

今回のアドベントカレンダーの記事も数学の何かについて書いても良いかとも思いました。しかし、大学院生になって、なんとなく学部生の時にいた世界から離れていく、というか離れなければならないという気持ちもあって、一度過去のことについてまとめるくらいのことはしてもよいうのではないかと思いました。そこで赤神さんのこととか、今まで自分の理解してきたCEEDはどんなものだったかとか、書くのも良いかなと思ったので、今回はこの方向性でいきたいと思います。

赤神さんとの出会いは、数物セミナーの合同合宿だった模様です。模様ですというのは、その時は、多分顔と名前が一致していませんでした。新型コロナウイルスが蔓延し出した頃、赤神さんが、slackでオンライン自主ゼミのメンバーを集めるためのチャンネルを作られて、それに参加したのが、本格的な出会い1 だったと思います。そのチャンネルでは、数回やっただけに終わりましたが、J.J.サクライの現代の量子力学の演習問題を解く自主ゼミで御一緒しました。数回やっただけで空中分解してしまったのですが、メンバーもとても良かったし2 、あのメンバーでもう一度やりたい気持ちがあります。その時に、赤神さんは優秀な方だなと思ったという記憶があります。

それはそれとして、赤神さんが、CEEDを立ち上げられた時、それは高知大学の自主ゼミサークルという色彩がより濃いものだったのだと思いますが、自分としてもとても嬉しかったです。というのも、私の考えとしては、数物セミナーの合同合宿に参加した人が、自分の大学に自主ゼミ文化を持ち込むというのが、一番良いことだと思っていたからです。対面で開催予定だった3 第一回のCEEDのセミナーも、いろいろな大学の人を講演者に招いていたので、今考えると、現在のような全国展開の片鱗がその時にすでに見えていたのかもしれません。

まあそれはそれとして、CEEDのイベントに初めて参加したのはおそらく、第2回のイベントだと思います。その時に何をしゃべったか、調べたら出てきますが、思い出すのも恥ずかしいので思い出さないことにしますが、ともあれ、それからとびとびではありますが、かなり長い期間お世話になっています。

赤神さんと数物セミナーのオンライン談話会の運営をやった時に、喧嘩したことがあります。お互いヒートアップしてしまって、結局、私がその談話会の運営から抜けるという形で収束したのですが、それからは疎遠になって口も聞いていません。嘘です。この少し後に、疎遠になってしまわないように、CEEDのイベントで喋ったりして媚を売って関わりを持ちにいったその時の私は偉い!

談話会以外にも、数物セミナーの運営は、結構大変な時期で、赤神さんとは前述の喧嘩などもありつつ、力を合わせてやったのでした。

他に赤神さんと一緒にやったのは、すうがく徒のつどいと(一応)ぶつりがく徒のつどいですかね。ぶつりがく徒のつどいもオンラインで開催したのですが、喧嘩したのと同時期だったので、一緒にやったことはあまりありません4

時々講演するくらいしかしていないので、よく知っているわけではないのですが、CEEDは当初予想していなかった方向に発展していったように思います。CEEDはもっと、数学・物理に寄ったものとして発展していくと思っていました。それが、浅く広く色々な人が気軽に参加できるものになっていったのには驚きました。CEEDのすごいところは、浅いところと広いところです。

イベントというのは、だんだん参加者と共に成長していってしまいがちで、だんだん内容が深くなり、とっつきにくくなるものです。それに抗って、内容の難易度を高くしてしまわず、浅くたもつというのも簡単ではありません。

広くというのも、浅くというのがあってこそだと思いますが、簡単なことではありません。well-knownな事実として「物理の人は数学の話が始まると寝る。数学の人は、さらに狭く、自分の専門じゃなかったら寝る」というのがありますが、特にオンラインのイベントでは、自分のあまり知らない話題についての発表は、聞かないがちです。そこをクリアーしたというのは、専門的にならないように、分野をひろくというのを、講演者と運営が、共に意識してやってきたからでしょう。本当にすごいことだと思います。

これは、私が結局、今のところ他人の作った枠の中でしか活動していない理由でもあります5 。新たなイベントを起こすなら、運営だけではなく、参加者にも、コンセプトを理解してもらう必要があり、これが容易ではないと感じるからです。需要があるかという点も重要ですが、それだけではなく、きちんとコミュニケーションをとってアピールすることができるかというのも重要な点になってきます。

今年は確か、合宿もやったんですよね。よくこんな時期にやるなと思ったのですが、多分盛況だったのだろうと思います。私としては、CEEDも合宿をやるようになったのかという感慨があったのですが、ともあれ、様々なコンセプトの合宿ができて、選択肢が増えるのはとても良いことだと思います。ぜひ継続して開催してください。

最近は、CEEDとも、赤神さんとも、関わる機会が減っていて、それはCEEDがこのような発展をしたこととも関係があるのですが、少し寂しい気はします。一方で、世界中を自分の手の届くところに置いておくことなどできないわけで、自分の近いところから出発した団体が、自分は関わることのないような人にまで、手を伸ばしているというのは、とても嬉しいことなのだとも思います。

それでも、赤神さんは、私が一番深い絆があると思っている人間の一人です。赤神さんがどう思っているかは分かりませんが、私は、数物セミナー以外にも色々と、理想の実現のために頑張った戦友という認識です。なんというか、向かい合って話するような友達はたくさんいるのですが、同じ方向に向かってそれぞれ走って、でも横目で相手のことは気にしている、というような仲間は、結構貴重で、赤神さんはその一人だと思っています。今後の人生で、また一緒に何かやりたいし、敵として現れてきても欲しいと思っています。自称ライバルです。勿論、私がそういう気分でいるだけで、客観的に見ると、赤神さんは遥か彼方にいるのだろうと思いますが。

で、結局、赤神さんとは、全然お会いすることができていないんです。そろそろ、お会いしたいのですが、なかなか難しいのですよね。タイミングが合えばと思っているのですが。


  1. 本格的というのか。
  2. メンバーを記憶しているわけではないが、良かったという記憶がある。
  3. 中止かオンラインになったかのどっちかだったと思う。
  4. ぶつりがく徒の運営を引き継いでいただける人を探しています
  5. そろそろ私も、新しいことに挑戦するべきだとは思っていますが。